メモ

2010年1月7日 読書
1/07『とめはねっ!』6巻(小学館) 河合克敏
1/10『デュラララ!!×7』(電撃文庫) 成田良悟
1/22『へうげもの』10巻(講談社) 山田芳裕
1/23『大東京トイボックス』5巻(幻冬舎) うめ

あけましておめでとうごいます。
本年もよろしくお願い致します。
『とめはねっ!』新刊は今日からのドラマに合わせたのかな?どっちにしろここいらじゃ発売は明日以降になるわけですがね…。


サボってた間に読んだ漫画の感想を。

○『テルマエ・ロマエ』1巻
ヤマザキマリ エンターブレイン BEAMCOMIX 2009/11/26
←画像の本。古代ローマ時代の建築技師が現代の日本にタイムスリップしてきて日本の風呂に驚愕しつつも啓蒙されるお話。真面目なのにアホで、いい感じでした。日本人はつくづく風呂好きな民族よね…と風呂ネタだけで続く、続けられるこの漫画を読んでしみじみ思う。
『乱と灰色の世界』を買う際に一緒に積んであったのを見て表紙買い。

○『乱と灰色の世界』1巻
入江亜季 エンターブレイン BEAMCOMIX 2009/11/27
入江さんの描くキャラは男も女もエロいなあ…特に女性のボンキュッボン加減が素晴らしい。硬派且つ慎重なお兄ちゃんの狼に変身するシーンが好きです。

○『乙嫁語り』1巻
森薫 エンターブレイン BEAMCOMIX 2009/10/27
美人なのに強い、姉さん女房なのに乙女、大胆なのに天然とか、どんだけ属性てんこ盛りだよ!と思っていたら、後書きで作者自ら「明日死んでも悔いのないキャラ作り」と言っていて笑いました。
中央アジアとかトルコとかあの辺のじゃらじゃらな衣裳の描き込みがいい。親戚・族縁であっても、定住しているカルルクの一家、遊牧しているカルルクの遠縁の一族、半分遊牧しているアミルの実家で、微妙に異なる衣裳を描き分けてるのが面白い。

○『ブラックラグーン』9巻
広江礼威 小学館 サンデーGXコミックス 2009/10/24
狂犬メイド編終了。狂ったお姫様を救ったのは王子様のキスでした。
ロック、ダークサイドに堕ちるも自覚無しで、それはそれで一番ヤバいタイプの悪党じゃね?って話でした。張大兄とバラライカの姐御の過去が垣間見られたのは良かった。

○『殿といっしょ』4巻
大羽快 メディアファクトリー MFコミックス 2009/11/30
まさかのアニメ化。これも歴女ブームとやらの一環か。
小松はやっぱりいいツンデレだと思いました。

12月は買う予定の新刊本無し。

メモ

2009年11月17日 読書
11/05『そこをなんとか』3巻(白泉社) 麻生みこと
11/10『町でうわさの天狗の子』5巻(小学館) 岩本ナオ
11/13『海月姫』3巻(講談社) 東村アキコ
11/25『のだめカンタービレ』23巻(講談社) 二ノ宮知子
11/27『よつばと!』9巻(アスキー・メディアワークス) あずまきよひこ
10月分チェックし忘れ
『シュトヘル』2巻(小学館) 伊藤悠

引越しは無事に終わりました。まだまだダンボールが散乱してますが。
フィギュアスケートシーズンだと言うのに、工事の関係で三週間ほどPCでのネット断ちはまさに苦行でした。

メモ

2009年10月8日 読書
10/09『泣き虫弱虫諸葛孔明』第壱部(文春文庫) 酒見賢一
10/09『娚の一生』2巻(小学館) 西炯子
10/13『となりの怪物くん』3巻(講談社) ろびこ
10/15『乙嫁語り』1巻(エンターブレイン) 森薫
10/19『ちくたくぼんぼん』1巻(集英社) 勝田文
10/19『ウランバナ』(集英社) 勝田文
10/19『ブラック・ラグーン』9巻(小学館) 広江礼威
10/23『聖☆おにいさん』4巻(講談社) 中村光
10/23『少女ファイト』6巻(講談社) 日本橋ヨヲコ 
10/23『きのう何食べた?』3巻(講談社) よしながふみ
10/24『共鳴せよ!私立轟高校図書委員会』(一迅社) D・キッサン
10/24『カルバニア物語』12巻(徳間書店) TONO

なにこの取れ獲れ大漁具合…。
勝田さんのダブル新刊と久し振りのカルバニア新刊が特に嬉しいです。でも新居の本棚やら収納おさまり具合が一段落するまでは全てお預け…メガテンSJも宮城谷三国志新刊も『武士道エイティーン』も『みをつくし料理帖』の新刊もすべてお預け…。早く引越ししたい。

メモ

2009年9月9日 読書
9/10『さよならキャラバン』(小学館) 草間さかえ
9/18『たまちゃんハウス』5巻(集英社) 逢坂みえこ
9/25『荒川アンダーザブリッジ』(スクウェア・エニックス)9巻 中村光
8月分の買い忘れ
『魔法泥棒』(創元推理文庫)ダイアナ・ウィン・ジョーンズ

DSメガテンまでの繋ぎに…と軽い気持ちで購入したはずの『女神異聞録デビルサバイバー』にのめり込んでいるうちに9月になっていた件。
しかし、急に引越しが決まり、閉鎖された東京で悪魔合体にいそしんでる場合じゃなくなりました。ここを読んでくれているようなリアル友人様方には、後日新住所をちゃんと連絡致します。

メモ

2009年8月6日 読書
8/10『のだめカンタービレ』22巻(講談社) 二ノ宮知子
8/25『暴れん坊小納言』5巻(ワニブックス) かかし朝浩

…買う本すくないなあ…。



へうげもの 9服

2009年7月26日 読書
山田芳裕 講談社 モーニングKC 2009/07/23

茶の湯と物欲に魂を奪われた戦国武将・古田織部。天才・信長から壮大な世界性を、茶聖・千利休から深遠な精神性を学び、「へうげもの」への道をひた走る。
利休執念の「わび」数寄革命は未完に終わった。新時代到来、織部はひたすら「へうげ」を目指す。
生か死か、武か数奇か、それがますます問題だ!!


・やっぱりすごい利休無双
・秀吉の孤独と業の深さが半端無い
・明朝体w
・朝鮮の王子様は、幽斎・清正公と並ぶ出オチキャラ
・みっちゃんツンデレ超ツンデレ
・前田利家は短い出番で全てを持っていく
・上田殿はもう引き返せない域に…

宗匠切腹の感想は、雑誌連載時に書いたので省略。でもあの回最後の仁王立ちゲヒ殿絵には「BO∞ORN☆へうげもの」のアオリがやっぱり欲しい気がする。でも次ページから暗雲が晴れて、その雲間に鳥が飛び(宗匠の年譜が書かれ)、晴天になり、そし時代が飛んで朝鮮出兵へ―という流れには、あのアオリは邪魔かも。

この巻の、この内容で、しかも表紙の色は黒!
構図も黒の代が終わって、その次の部屋(時代)に行くために襖を開けたら、待ち構えていたのはゲヒ次代の筆頭茶頭・古田織部!みたいな…。
裏表紙のいつもは外国語のあらすじは、関西弁?宗匠介錯後のあの見開きが一枚絵になっていて、何だかよくわかんないけど溜息出た。 
石川雅之 講談社 イブニングKC 2009/07/23

ビール&武藤のターン!!
チェコが世界一のビール消費国というのが意外でした。
「ビールとは何か?」という問いに、武藤さんは「笑顔が最も似合う飲み物」という答えを見つけたけど、個人的にはそれに「みんな楽しんでる?」と及川が煽ったときのように、妙にハイテンションなノリが似合う飲み物だと付け加えたい。

今回のオクトーバーフェストに協力した地ビールの会社の一つが地元も地元、超地元の会社だったので、早速そこの地ビール買って来た。ピルスナーとヴァイツェンと、柑橘類の皮を使ってるホワイトビア。ピルスナーから呑んでみたけど、いやー美味かった!ホップ!麦!苦味しっかり!って感じで。欠点があるとすれば、地元の酒屋にも居酒屋にも殆ど流通してないことだな。そのメーカーは知っていたけど(元々は日本酒造ってる会社だから)、地ビール作ってることまで知らなかった。
あと作中にも出てきたビールでは、乳酸菌も入ってるクリークも先週末に呑んできたばかり。言うほど酸っぱくなかったような…さくらんぼだから甘酸っぱくはあったけど。
なんにせよ美味けりゃ、細けぇことはいいんだよ!

特装版は本屋に影も形もなかった…ほんとに実在してるの…?

海月姫 2 巻

2009年7月16日 読書
東村アキコ 講談社 コミックスキス 2009/07/13

天水館が地上げの危機!?尼~ずよ立ち上がれ!!

クラゲヲタの月海(処女)は女装趣味のある美男子・蔵之介にカワイく変身させられ、議員秘書の修(童貞)と水族館でフォーリンラブ!?なんてしてる間に尼~ずの住処・天水館がピンチ!!恋なんてしてる場合じゃない!?


兄ちゃん30歳童貞の魔法使いなのか…スペック高そうなのにな…。蔵之介の方が考え方は柔軟、行動力もあるし、対人スキルも経験値も高そうだし、どう考えてもおススメ物件。やっぱり兄ちゃんは当て馬?でも月海は蔵之介を男として殆ど意識してないからなー。

ところであのハゲが首相でこの国は大丈夫なのか!?無駄に渋い空気を醸し出しておきながら、弱味を持ち出されるとすぐに口を割る運転手の花森さんといい、脇役も面白い。そういや『ひまわりっ』の副主任も一コマだけ出てて噴きました。
荻原規子 角川書店 2009/05/29

神霊の存在や自分の力と向き合うため、生まれ育った紀伊山地の玉倉神社を出て、東京の鳳城学園に入学した鈴原泉水子。学園では、山伏修行中の相楽深行と再会するも、二人の間には縮まらない距離があった。弱気になる泉水子だったが、寮で同室の宗田真響と、その弟の真夏と親しくなり、なんとか新生活を送り始める。しかし、泉水子が、クラスメイトの正体を見抜いたことから、事態は急転する。生徒たちはある特殊な理由から学園に集められていたのだった…。


カラスキター!!鳥彦!鳥彦!…と言うように、ラストでまさかの再登場の和宮には鳥彦の面影を見たわけですが、泉水子と真響の関係にはアデイルとフィリエルを思い出したのでした。あと荻原さんは女装男子がお好みか。ちょくちょく出てくるよね。

しかし続きが気になる終り方でした。物語としてはまだまだ風呂敷は広がってないような印象。
高田郁 角川春樹事務所 ハルキ文庫 時代小説文庫 2009/05

神田御台所町で江戸の人々には馴染みの薄い上方料理を出す「つる家」。店を任され、調理場で腕を振るう澪は、故郷の大坂で、少女の頃に水害で両親を失い、天涯孤独の身であった。大阪と江戸の味の違いに戸惑いながらも、天性の味覚と負けん気で、日々研鑽を重ねる澪。しかし、そんなある日、彼女の腕を妬み、名料理屋「登龍楼」が非道な妨害をしかけてきたが・・・・・・。料理だけが自分の仕合わせへの道筋と定めた澪の奮闘と、それを囲む人々の人情が織りなす、連作時代小説の傑作ここに誕生!


初っ端から牡蠣の土手鍋だの、七輪で焼いた牡蠣を醤油と酒で食べるだの、それだけで私の胃袋鷲掴みですよ。
それにしても、現代に生きる私にとって、茶碗蒸しといえば、具材を卵と出汁で固めたもの、というものしか想像できないのに、 江戸時代の江戸ではそれは一般的な“茶碗蒸し”ではなかったということに驚いた。高速道路も新幹線も、勿論ネットも無い時代、上方と江戸の隔たりは現代の私達が思うよりも遥かに大きかったんだろうなあ…。

亡き母親にしっかり育まれた味覚を武器に、必死に努力していく澪が健気です。そんな彼女がへたれたときには、フォローしてくれる周囲のひとびともまた微笑ましくて良い。出てくる人たちが皆真っ当にしっかり生きている感じ(悪役ポジションも居るけどね)。
小松原さまは何者なのか、失踪中の若旦那はどうしたのか、そして幼なじみの野江ちゃんとの再会はなるのか、未消化の伏線もあることだし続きも期待。
川上稔 電撃文庫 アスキーメディアワークス 2009/07/10

英国へと到着した航空都市艦・武蔵。そして、来るべきアルマダ海戦の歴史再現に先駆け行動を開始した三征西班牙。三カ国の駆け引きと思惑が蠢くなか、いよいよ英国と武蔵による合同学園祭が始まった…。果たして、武蔵・教導院のメンバーの前に現れた英国“女王の盾符”たちとの戦いの行方は?“重双血塗れ”メアリの処刑は?世界征服のためにホライゾンとデートするトーリの決断と正気は?…あとまあ、点蔵の地味な運命は!?それぞれの想いが交錯するなか、ついにアルマダ海戦の歴史再現が始まる。


グッドエンドというかトゥルーエンドだった>点蔵と“傷有り”ことメアリ
そしてメアリはやっぱりというか猫の遺伝詞受け継いでるのねー。あと尻神信仰とか、佐山遺伝詞どんだけだよ!
今回は、この作者の本の中でも一番恋愛色が濃かったような気がします。点蔵とメアリ、フアナとフェリペ、シェイクスピアとネシンバラ、立花夫妻。とりあえず皆さん落ち着くところに落ち着いて、良かった、良かった。でも点蔵はそのうち「跡継ぎ、三分な」とかようじょに言われたりするんだろうか…どこまでも不憫な…。
次は神聖ローマ帝国かー。襲名先の人々がどういう解釈で出てくるのか楽しみ。どうせマトモじゃないんだろうなー、いい意味でも悪い意味でも。千利休とか黒田官兵衛とか、どんなキャラで来るのか期待してます。

1000P超えてました。読んでも読んでも終らなかった…ある意味幸せな状態だけど、読みづらいことこの上ないよ!今からこの調子じゃ最終巻とかどうなるよ!製本技術の限界に挑戦なの!?

とめはねっ! 5巻

2009年7月1日 読書
河合克敏 小学館 ヤングサンデーコミックス 2009/06/30

再び部員不足を抱えた鈴里高校書道部は、文化祭の書道パフォーマンスで、新入部員獲得を目指す!そして文化祭後に発表された「書の甲子園」の結果は果たして!?
文化系青春コメディー、不撓不屈の第五巻!!


見返し4コマ、夜の校舎で“シャイニング”な双子とか…怖えーよ!

日野ちゃん加茂ちゃん三輪ちゃんの上級生組の中学時代の秘話が可愛かった。加茂ちゃん幼なじみキャラだったのね。そして日野ちゃんは天然乙女。
書の甲子園優勝校のキャラも出てきたし、ここからどう話が動いていくか楽しみです。

帯にでっかくドラマ化決定のコピーが。『ふたつのスピカ』の枠かなー?
縁ちゃんは『風林火山』の四郎様みたいで、ちょっと期待してます。なので望月さんメインの話になっちゃたら哀しい。

Gad Sfortunato

2009年6月29日 読書
basso 茜新社 EDGE COMIX 2009/06/26

「求めているうちは 指先にもかすらない」

タトゥー・アーティスト、ガッドの奔放な生活と、巡り巡る人の輪を描いたシリーズ作品集。

収録作品「prologo」「macch ia nera」「il mio lavoro」「balcone」「esitanza」「Sfortunato」「ingranaggio」「epilogo」


basso名義の単行本はこれで三冊目、そのうちで一番性描写の多い作品だと思われる。でもやらしい感じはゼロ。濡場どころか、ややアブノーマルな性行為の場面もあるし、それなりにエロくはあるんだけど、どこか乾いてるというか、醒めているというか…平たく言っちゃえば下品じゃないということなんでしょう、多分。なのにガッドの挑発するような視線や相手を求めて彷徨う指先や、とても扇情的。上手くてずるい。
ろびこ 講談社 デザートコミックス 2009/06/12

やっかいだ。この怪物も、恋した私も。
みんな、ちょっと不器用。だから読んでほしい、ろびこの恋の物語。第2巻!!

「私を好きになってもらってからまた言う」でも、どうやって好きになってもらう?
となりの席の超問題児・吉田春の純粋さに惹かれて、逆に好きになってしまった水谷雫。しかし、告白の返事はまさかのNO!すべてが予測不能の春の心をとらえるには?少しずつ恋心に目覚めていく雫だけど……!?


雫は冷血女子じゃなくて、素直クールというヤツじゃなかろうか…。

追いかけてたつもりが追いかけられてたり、追いかけられてたつもりが追いかけたり、青春はぐるぐるだ。大変だ。だがそれがいい。

COPPERS 2巻

2009年6月24日 読書
オノ・ナツメ 講談社 モーニングKC 2009/06/23

マンハッタンの北、スタジアムで有名なブロンクスにあるNYPD(ニューヨーク市警)51分署。
署長が入院し、副署長のカッツェルが署長代理を務めることになる。カッツェルの昇進や異動にはジンクスがあり、署長代理初日にも事件が発生。その後も51分署には波乱が絶えない。そして、いよいよジンクスの日を迎える。署長復帰前日、何かが起こる!?


カッツェル警部補の話が好き。
帯に「season1完結。」とあって、ちょっと驚く。『GENTE』もそうだったけど、結構あっさり終らせちゃうのねー。だらだら引き延ばすのよりも余程マシだし、物語の内容が薄いわけではないし、season2があるのかもしれないけど。

番外編ブックレットのついてたモーニング2も一緒に購入(単行本化はしないとか商売うますぎだろ講談社…)。
頭身の高い方の絵で描くと、キースはまんまさらい屋の弥一。2巻でちらっと出てきたキースの奥さんのメリッサは予想以上にきっぱりすっぱりざっくり、て感じで、結構好きなタイプの女性でした。
ろびこ 講談社 デザートコミックス 2009/01/13

となりの席の吉田くんは入学初日の流血事件以来、一度も学校に来ない…。自分の成績と将来にしか興味がなかった水谷雫は、たまたまプリントを届けたため、その吉田春に勝手に友達認定されてしまう。しかも、春の純粋さを知って優しくすると今度は告白までされちゃって…!?


「町でうわさの天狗の子」だったかなんだったかをamazonで購入したときに、“この商品を買った人はこんな商品も買っています”の欄に載っていて気になっていたところに、本屋で見かけて購入。表紙の黄緑とオレンジの配色が可愛いな。

なかなかきゅんきゅんな内容で結構でした。ドライアイスと評されるほどの冷血女子がペースを乱される様子がいとおしいです。人間、自分の予測の範囲外の行動されることほど弱いもんないよねー。
2巻も買おう。

剣の名誉

2009年6月22日 読書
エレン・カシュナー 早川書房ハヤカワ文庫FT 2008/08/06

田舎貴族の娘キャザリンは、都に住む伯父に招かれて喜ぶが、〈狂公爵〉として悪名をとどろかす奇人の伯父に命じられたのは、男装と剣術修行だった! いやいや従うキャザリンだったが、次第に持ち前の豪胆さを発揮し、名誉をかけた決闘を申し入れるまでに。だが時を同じくして、公爵の失脚を狙う陰謀が動きはじめていた……名作『剣の輪舞』の18年後の世界を舞台に、少女剣客キャザリンの青春を描いた2007年ローカス賞受賞作!


表紙とあらすじと“少女剣客”という言葉に魅かれて購入。
キャザリン可愛いよキャザリン。
夢見てたものは綺麗なドレスと憧れの舞踏会だったのに、押し付けられたのは男装と剣術修行。まあそれもぶっ壊れてる伯父上の非常にわかりにくい愛情の発露だったわけですが。いやいやだったはずの剣術にも徐々に誇りを見出していくキャザリンの姿はなかなかに逞しくて良いです。
田舎育ちの少女が街に出て、自分を取り巻く新たな環境や人に右往左往しつつ成長するというのは成長物語の典型だけど、その環境が退廃的でバイセクシュアルで屈折しまくりの変人の伯父上はじめ、何やら訳有の剣客、男娼や娼婦、女優、成り上がりの政治家、DV被害にあった芸術家など、非常に若い嫁入り前の娘さんの情操教育にはよろしくない環境というのが面白い。

シリーズ三部作(?)の時系列でいうと真ん中の巻だったようで、ちょこちょこわからない箇所が幾つか。さらにその後のキャザリンがどうなったのか、続巻で描かれているようなので、シリーズまとめてぼちぼち読もうかなと思います。
酒見賢一 文藝春秋 2004/11/25

口喧嘩無敗。いざとなったら火計(放火)の策。神算鬼謀の大軍師か?自堕落、色欲三昧、ヤクザ以下の変奇郎か?諸葛孔明の虚像に迫る、酒見版『三国志』登場。「ほんとうの孔明は、こんな人じゃなかったと思う」(作者談)。


実家に帰ったら、『陋巷に在り』全巻を読み終えた母親がこれを読んでいたので、ちと拝借。…こんなに随所で笑わされる三国志系の読み物は他に無いと思う…。
いま手元に本が無いので、文章を引用できないのが残念です。でも曹操様に関しての「スパークする戦バカ」という一文だけは頭に残ってるんだぜ…。あながち間違ってなさそうだから困る。

神算鬼謀の士でもなく(自分の名前を売ることに関しては謀りまくりだけど)、戦乱の世を憂う軍師でもなく(いや少しは憂いているかも)、ただ只管宇宙を思い、醜女で発明ヲタな妻とラブラブ夫婦生活を繰り広げる諸葛孔明がここにおります。でも主役は、どこから見ても立派なヤクザの親分で策ジャンキーな劉備らしい。そうなのか。
兄者命で何かと趙雲をのけ者にしたがる関羽や張飛も、何だかわからない理屈で人を煙に巻くホウ徳公もなかなかに魅力的ですが、孔明やこれらの人々に徹底的に翻弄される徐庶が私は大好きです。巻き込まれ体質だったのか、徐庶…。
江村洋 講談社現代新書 1993/06

女帝の娘たちの歩んだ人生の明暗。貴賤結婚の苦難に耐えた大公妃たち。政治情勢にまで影響を与えた、皇帝をめぐる嫁姑の確執…。ハプスブルク帝国の歴史を彩る。


「戦争は他家に任せておけ。幸いなるオーストリアよ、汝は結婚せよ」。
幾たびもの婚姻政策が大当たりしたおかげで、世界の半分の海を独占したハプスブルグ家。そのハプスブルグ家に嫁いだり、ハプスブルグ家から嫁いだ女性達にまつわるあれやこれやをまとめた本。
有名どころとしては、カスティーリャ王女“狂女”フアナ、“女帝”マリア・テレジア、ナポレオンの皇后マリー・ルイーズ、シシィことエリザベートなどなど。しかし、それらの有名な女性を抑えて、私が一番面白く読んだのは第三章の〈ハプスブルグ家の「貴賎結婚」〉に出てくる(貴賎結婚て凄い言葉ですね…)マリア・テレジアの孫ヨーハン大公と結ばれた村娘アンナ・プロッフルについて。二十二歳年上の大公と身分差を乗り越えて結婚とは、なんというシンデレラストーリー。ここまでこてこて王道純愛ラブストーリー、イマドキの少女漫画にも無いよ!という感じ。

非常に読みやすい一冊でした。新書なのでページは薄いが、出てくる女性達の一生はとっても濃い。ただスペイン系ハプスブルグ家の方もページを割いてくれたら嬉しかったかな。

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