剣の名誉

2009年6月22日 読書
エレン・カシュナー 早川書房ハヤカワ文庫FT 2008/08/06

田舎貴族の娘キャザリンは、都に住む伯父に招かれて喜ぶが、〈狂公爵〉として悪名をとどろかす奇人の伯父に命じられたのは、男装と剣術修行だった! いやいや従うキャザリンだったが、次第に持ち前の豪胆さを発揮し、名誉をかけた決闘を申し入れるまでに。だが時を同じくして、公爵の失脚を狙う陰謀が動きはじめていた……名作『剣の輪舞』の18年後の世界を舞台に、少女剣客キャザリンの青春を描いた2007年ローカス賞受賞作!


表紙とあらすじと“少女剣客”という言葉に魅かれて購入。
キャザリン可愛いよキャザリン。
夢見てたものは綺麗なドレスと憧れの舞踏会だったのに、押し付けられたのは男装と剣術修行。まあそれもぶっ壊れてる伯父上の非常にわかりにくい愛情の発露だったわけですが。いやいやだったはずの剣術にも徐々に誇りを見出していくキャザリンの姿はなかなかに逞しくて良いです。
田舎育ちの少女が街に出て、自分を取り巻く新たな環境や人に右往左往しつつ成長するというのは成長物語の典型だけど、その環境が退廃的でバイセクシュアルで屈折しまくりの変人の伯父上はじめ、何やら訳有の剣客、男娼や娼婦、女優、成り上がりの政治家、DV被害にあった芸術家など、非常に若い嫁入り前の娘さんの情操教育にはよろしくない環境というのが面白い。

シリーズ三部作(?)の時系列でいうと真ん中の巻だったようで、ちょこちょこわからない箇所が幾つか。さらにその後のキャザリンがどうなったのか、続巻で描かれているようなので、シリーズまとめてぼちぼち読もうかなと思います。

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