船戸明里 幻冬舎 バーズコミックスデラックス 2009/05/23

19世紀後期の英国。家庭教師レイチェルの発案による宴は、ロウランド伯爵家に、蜜のような懐かしくも甘い記憶を蘇らせた。
やがて、宴は幕を閉じ、賓客は去りゆく。
屋敷に訪れるのは、いつもと変わらぬ日常の筈であった。だが、投ぜられた一石は、波紋となって広がる。深窓に隠る女主人アンナの元までも……。


そらねえよ伯爵!そらねえよアンナさん!て展開でした…。
てっきりアンナさんが時間を懸けてデレて和解、みたいな展開を想像してたのに、そんなに甘いお話ではなかったよ。冷静に考えれば、アンナさんにとって身売り同然の不幸な結婚であったとしても結婚指輪投げ捨て、愛人斡旋、花瓶投げつけ等の「アンタ嫌い!結婚なんかしたくなかった!こどもだって義務だから産んだ!」という行動をされ続けていたら、そら愛情も醒めるよな…。

冒頭の「踊っていただけますか」から「上手なのね」のレイチェルの笑顔、そしてドS眼鏡次男の赤面までの流れが絶妙でたまりません。肉体的には完全に両思いな二人なのに、心の方はすれ違っているどころかまだ何も始まっていないところが何とも。
次男が画策していたことは母親に残酷な真実と直面させないためだったと知った、レイチェルがウィルに対してどう向き合うのかが、これからの展開の肝なんでしょう。…母を思うゆえの行動だとしても、それでもあれは駄目だと思いますがね。

しかしこれでもかってくらいに重苦しい本編に対して、オマケ漫画の底抜けの明るさが素敵すぎる。アグネスさんは結構パンチの効いたお嬢さんだったのね。可愛いなあ。

コメント

香歩
香歩
2009年5月26日17:38

うっ、また読むのに気力のいる展開のようですね。
面白いけど、このシリーズを読むとぐったりしますよ…。

電気羊
2009年5月26日20:28

「うへえ…」って感じでした。
でも面白かったよ!続きが気になって仕方がありません。

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