蒼天航路 11巻

2009年5月15日 読書
李学仁, 王欣太 講談社 モーニングKC 1998/01

曹操孟徳は、仇敵・張繍討伐の将に、無名の兵・楽進(がくしん)を抜擢。また呂布奉先(りょうふほうせん)に追われた劉備玄徳に3000の兵を与え、徐州の奪回を命令。才ありと見れば、いかなる人材も登用。袁紹本初(えんしょうほんしょ)との大決戦を前に、曹操孟徳の覇業は進む。


再びの対張繍戦から。戦の前に曹操が「戦場でためらわず俺を殺そうとする人間 そこに俺の求めるものがある!」という言葉、これは張繍・賈詡主従登用フラグ?
賈詡先生も再び。やっぱり晴れ晴れとした笑顔で、真っ黒(以下略)。「この戦いで曹操の心をとらえているのはこの賈詡の動静であろう」とか「よほどこの賈詡がお気に召したようだ」とか「曹操が誤ったのではない!この賈詡が正しかったのだ! 天下の大器を掌にのせてころがす心地よさよ!」とか、蒼天賈詡、自分大好きですね!…でも蒼天の曹操は完璧超人なので、全部上を行かれてしまうんですけど。がんばれ賈詡先生。
荀攸が実践で兵法を叩き込んでいる傍からいきなり無造作に敵に突っ込んでゆく楽進殿が、どんな将なのか、まったくわかりません!でも荀攸と周囲の将はわかっているらしいのでいいんでしょう。
ところで、どうして李通がずっと幼名で呼ばれているのか謎。

呂布に徐州を奪われた劉備は、曹操に予州牧として徐州奪還を命じられて、奮戦中。
ところがどっこい、劉備は形勢が悪くなると見るや、今度は呂布軍に逃亡、投降。勿論城に妻子は置き去り…ろくでなしー。
ここに至って、後の合肥の鬼神キタ―!!遼来来!! 遼来来!!なんかパイナップルみたいな頭してるけど、武人としてだけでなく、将としても優れていることが描かれていてやっぱり張遼、恰好いい。そしてこの作品でも、同じ得物の青龍刀を選ぶとかやっぱり関羽萌えなのか…。
呂布はちょっと見ないうちに、以前なら苛ついていた筈の夏侯惇の挑発にも乗らず、部下を気遣う、民を意識する、といった“戦士”から“将”へ成長。
しかも以前は策を言われるたびに関節を折りたたむは、張り手は見舞うは、頭突きはかますわ、という酷い扱いをしていた陳宮(軍師なのに…)に初めて問いかけるほどに、人間らしくなっているのでした。つか生き残るための策、次々呂布に潰されているのに健気すぎだよ陳宮…。問いかけてもらっただけで、涙ぼろぼろ流すとか、どんだけ呂布が好きなんだよ陳宮…。曹操に内通している陳珪・陳登親子の呂布を嵌めるための献策(篭城)を選んでしまった呂布を愚かとわかっていながら、『俺はつくづく呂布殿に魅せられているのだな……』と反対せずに勝負に出ようと涙を流す陳宮のあまりの献身ぶりには、こっちの涙が止まらなくなりそうだ。良き主従だ…。

そして、呂布軍の最期が近付いているのをひしひしと感じさせる大水計で以下次巻。陳宮ー!

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