蒼天航路 8巻

2009年5月11日 読書
李学仁, 王欣太 講談社 モーニングKC 1997/0

曹操孟徳は、父を見殺しにした徐州牧・陶謙を討つべく進軍を続けていた。その間隙を狙い、1人の男が天下をその手に収めようと、軍勢を率いて、曹操の本拠地・袞州を急襲した。獰猛なる“純一戦士”・呂布。乱世の奸雄・曹操孟徳。比類なき2人の英雄が、今、激突する!


董卓が破壊神だったのなら、張角の後継者になるはずだった女・汎は、地母神じゃないかなと勝手に思っている。この場面の曹操はどう見てもセクハラ…。

曹操軍による徐州の大虐殺は進行中。
徐州牧陶謙の要請に応えて、劉備も徐州へ。漸く舞台の真ん中に上がってきたよ。殺された民の死体の山を見てぼろぼろ泣くのも劉備なら、颯爽と軍を率いて駈けてゆく曹操を見て微笑んでしまうのも劉備。
劉備の「兵ってもんはいったん動かしゃあ意味が無くても人は死ぬんじゃねえのかい?」という台詞を読むと、前巻でよくわからなかった曹操の徐州侵攻の理由のひとつに、実戦での青州兵の練兵と実態を知るためもあったのじゃないかという気がする。大虐殺は『略奪を目的にした殺戮以外に戦を知らぬ』青州兵ゆえのオーバーキルで、その実態を把握した後は青州兵がそういった過剰な殺戮を犯さないための軍の新しい法案の起草を程昱に命じているし。徐州の民にとっては物凄くむごい話なわけですが、蒼天曹操にとっては四海を治めるための武を持つために必要な行いで、そのためなら奸雄と呼ばれようが、自分を信じられない部下だろうが知ったこっちゃねえ、ってことなんでしょうか。…やっぱよくわからん。

徐州のあとは陳宮らに反曹操連合を組まれたために袞州へ。対呂布戦ですが、蝗自重。
呂布との戦いの場面は、小説ではなく実写の映画やドラマでもなく、漫画として凄く面白いと思う。特に荀彧の挑発にのった呂布が赤兎馬で飛翔し、荀彧に迫る場面。あれだけで呂布が人外wってよくわかる。その後ろで置いてぼりになってる陳宮がんばれ。すごくがんばれ。ばきばき関節折り畳まれてる場合じゃない。

一方江南では、二張を従えて孫策伯符19歳が孫家を再起動中。孫策の辮髪は見る度に吹きそうになる。そして今までお父さんとお兄ちゃんの影に隠れていた孫権が登場。外人顔でも辮髪でもないけど…えーと野生児?虎皮っ子。その登場のどさくさに紛れて、陸遜の親戚のおじさんが何だか酷い目にあってる。なんと気の毒な。
でもこの江南パートで一番インパクト大だったのは、6巻の出番では面長の袁紹という感じのビジュアルだった袁術が猿化したこと。伝国の玉璽を受け取った後は、体毛まで生えて完全に猿。なんでだ!あまりのインパクトにこの直後の、史実でもレアな君主が出た一騎打ちであるところの太史慈VS孫策戦の印象が霞んだ。すまんシギー。

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