蒼天航路 5巻

2009年5月2日 読書
李学仁, 王欣太 講談社 モーニングKC 1996/09

黄巾党(こうきんとう)の最重要拠点・昆陽(こんよう)の食糧砦を味方もろとも焼き滅ぼした曹操孟徳。この「黄巾の乱」以後、中国各地に臥龍(がりょう)達が続々と出現し、大乱世へと突入した。漢帝国400年の栄華が一大危機に瀕している時、魔王・董卓(とうたく)は、天下を我が物にせんと進軍を開始する。


張角死亡、黄巾の乱は終息に向い、朝廷では霊帝崩御に伴って十常侍の乱。となれば、次に来るのは董卓、洛陽入城。
つか蒼天董卓半端無いわ。従来の狡猾なイメージは皆無。新帝擁立・長安遷都・皇帝陵盗掘などの史実通りの振る舞いだけではなく、性交中の皇太后の首の骨をへし折って殺害に、全裸女体椅子ですよ。「その舌を抜けい」だの「頭骨をえぐれい」だのやりたい放題だけど、宦官・外戚の粛清、悪官汚吏の一掃、名士の登用と、やっていることは間違いじゃないという(曹操は“善政”といっている)…洛陽入城に至る機と利もちゃんと図っていて、頭も切れると。何でもモデルがマーロン・ブランドだそうで。カーツ大佐で、ドン・コルレオーネなら仕方ないね。納得のカリスマ性。
カバー見返しの作者コメントによると、正史の董卓に関する記述には過剰な誹謗が含まれているのではないかという従来の考えに反して、「史家が憚って記せなかった程の暴虐をさらに積み上げていたような気がしてならない」ということで、このキャラ造形。まさしく“その発想はなかった”。
曹操と董卓の問答、帝位につかぬまま専横を極める董卓につきつけた「曹操孟徳には玉座に対する礼はなく 皇帝を称する人間にのみひれ伏す用意がある」という台詞は、後に曹操自身が帝位につける状況でありながら、漢の丞相に留まったことへの伏線?

そして時代は打倒董卓を掲げる群雄割拠時代に。
董卓軍と反董卓連合の緒戦で惇兄は隻眼に。対呂布軍のときじゃないのね。ちゃんと目玉も喰らっていました。
徐栄の朝服姿での柔和な恵比須顔から一転した猛将ぶりに、意外性があっていいな。

呂布がドレッド頭でびっくり…なんでドレッド…。
孫策も弁髪でびっくり…なんで満州族…。

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