真藤順丈 角川書店 2008/10/24

庵堂家は代々、遺体から箸や孫の手、バッグから花火まで、あらゆる製品を作り出す「遺工」を家業としてきた。長男の正太郎は父の跡を継いだが、能力の限界を感じつつある。次男の久就は都会生活で生きる実感を失いつつあり、三男の毅巳は暴走しがちな自分をやや持て余しながら長兄を手伝っている。父親の七回忌を目前に久就が帰省し、久しぶりに三兄弟が集まった。かつてなく難しい依頼も舞い込み、ますます騒がしくなった工房、それぞれの思いを抱く三兄弟の行方は?第15回日本ホラー小説大賞大賞受賞作。


日本ホラー小説大賞大賞受賞作だそうですが、ホラー、なの…?日本ホラー小説大賞といえば、『パラサイトイヴ』『黒い家』『ぼっけえ、きょうてえ』あたりがぱっと思い浮かぶけど、これらの作品とは方向性は全く違うねえ。作者も、そのあたりを悩んだ旨が後書に記されています。

普通にほのぼの三兄弟家族愛ものでした。三兄弟たちが扱ってるものが死体なだけで。弱冠グロではあるけれど、グロ耐性の低い自分でも気にならないくらいのグロ描写。でも家族の遺体を加工してでも身辺に侍らしておきたい、そうしてあげたいという発想は、優しく、切なく、哀しいものではあるけれど、やっぱりホラーかなあ。

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