伊藤悠 小学館 BIG SPIRITS COMICS SPECIAL 2009/03/30
舞台は13世紀の西夏。なんというニッチ(歴史漫画の題材的な意味で)。13世紀初頭というとチンギス・ハーンがまさに無双状態で蒙古から着々と領土を広げていた頃か。中国大陸は金と南宋に二分されている状態ですね。で、その蒙古と金の間に挟まれた土地に位置するのが西夏、と。
大陸の奥の方から凄まじい勢いで勃興する騎馬民族と、その勢いに押されて滅んでいく王国とその文化たち―というと何やら諸行無常的な浪漫があるけれど、実際に滅ぼされる側にしてみれば浪漫もへったくれもないわけで。
滅び、消えゆくことは免れない、ならば、伝え、憶えておく―というのが、この漫画のテーマになるのかな。その手段が滅ぼす側は持ち得ないアイテム(文字)で、というのが肝ですね。
私はスピリッツ本誌で三話から読み始めたんで、単行本で初めて1話から通して読んだんですが、話の展開・構成がいまいちわかりづらいとあちこちで言われているのにちょっと納得。とはいえスケールでっかいお話なのはわかってるし、ハラバルにいさんは恰好いいし、玉音同が現れる場面はテンション上がるし、1巻は序章も序章って感じで、つまりは続巻に期待。
13世紀初頭。史上最強と言われる蒙古軍から「悪霊(シュトヘル)」と恐れられた女戦士がいた――。かつては蒙古の脅威に怯える西夏国(タングート)の一兵士に過ぎなかった彼女だが、数々の死線をくぐり抜け超人的な強さを手に入れる。一方、蒙古軍側の皇子・ユルールは敵方である西夏文字に魅せられ、その行く末を案じていた…
舞台は13世紀の西夏。なんというニッチ(歴史漫画の題材的な意味で)。13世紀初頭というとチンギス・ハーンがまさに無双状態で蒙古から着々と領土を広げていた頃か。中国大陸は金と南宋に二分されている状態ですね。で、その蒙古と金の間に挟まれた土地に位置するのが西夏、と。
大陸の奥の方から凄まじい勢いで勃興する騎馬民族と、その勢いに押されて滅んでいく王国とその文化たち―というと何やら諸行無常的な浪漫があるけれど、実際に滅ぼされる側にしてみれば浪漫もへったくれもないわけで。
滅び、消えゆくことは免れない、ならば、伝え、憶えておく―というのが、この漫画のテーマになるのかな。その手段が滅ぼす側は持ち得ないアイテム(文字)で、というのが肝ですね。
私はスピリッツ本誌で三話から読み始めたんで、単行本で初めて1話から通して読んだんですが、話の展開・構成がいまいちわかりづらいとあちこちで言われているのにちょっと納得。とはいえスケールでっかいお話なのはわかってるし、ハラバルにいさんは恰好いいし、玉音同が現れる場面はテンション上がるし、1巻は序章も序章って感じで、つまりは続巻に期待。
コメント
週に5~6冊雑誌があるので、読みたい連載しか読まないんです。
それで最初は読んでなくて、ユルールの出生のあたりからなんとなく読み出してました。
まだパラパラとしか読んでないのですが、文字文化のゆくえが気になるし…ひつじさんとしては面白いと思いますか?
また今度かって見ようかな~。
西夏文字をほぼ解読したのって、日本の学者さんらしいですよ。
香歩さんの負担にならなければ、また岩本ナオやオノナツメの新刊と一緒に送るよー?