三国志 第七巻

2009年1月28日 読書
宮城谷昌光 文藝春秋 2008/09

曹操、魏王となる。劉備、孫権より荊州を譲られる。曹操、関中に兵を進める。そのまえに馬超との熾烈な戦いが待っていた。戦場に矢の雨が降る。


毎巻、毎章がクライマックスの件について。
当時の民の苦労や困難たるや想像を絶するわ…。
劉備は荊州南部四郡奪取を経て入蜀、潼関の戦い、曹操魏王に封じられる、合肥の戦い、陽平関陥落、張魯が降伏して曹操は漢中獲得、曹丕が魏の太子に指名されるまでが内容。
その間に美周朗が亡くなったり、劉備が弓腰姫を押し付けられてたり、龐統が登場して入蜀の際に戦死してたり、魯粛が呉と蜀の間でばりばり外交してたり、呂蒙が阿蒙じゃなくなって刮目されてたり、曹操さまが求才令を出して人材をコレクトしてたり、張遼が来来してたり、荀彧が亡くなってたり。
謎が多いとされている荀彧の死ですが、想像以上にあっさりとした描写でした。正史に準拠して物語を進めている以上、正史に書かれていないあれこれを詮索して書くことはできないってスタンスなのかな。
劉備は相変わらずのろくでなしっぷりです。清々しいまでの人でなしさが魅力的です。

馬超も登場。演義で錦馬超と華々しく言われている彼ですが、この作品でもやっぱり恰好いい。戦において優勢となる瞬間、酔ったように陶然とするという描写は、西方の武人らしい剽悍さを感じさせると思います(その直後に劣勢になるんだけどね…)。つか、この潼関の戦いのくだりは馬超にしろ曹仁にしろ、みんな良い。
なかでも好きなのは韓遂と馬超が曹操と会見する場面。属する陣営は違えど、同時代を生き、そろそろ老境か…という韓遂と曹操の二人が語り合うシーンはしみじみと良いです。その後、配下に裏切られ首のみとなった韓遂に曹操が語りかける場面も、文章は淡々としているだけに熱いものが感じられました。

ついに既刊を読み終えてしまいました。文藝春秋の連載はどのあたりまで進んでるのかな?次巻あたりで曹操、関羽が亡くなりそう。曹操さまが亡くなったら、私にとってこの物語の楽しさが半減してしまう…それくらい宮城谷三国志の曹操さまは恰好いいと思います。
さて次はどなたの三国志を読もうか。

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