江南行

2009年1月3日 読書
佐々木泉 メディアファクトリー MFコミックス 2007/03/23

時は2世紀末、広大な中国大陸では群雄割拠、戦乱の世を迎えていた。三国時代の呉の国において、その柔軟な考えと温和な人格で頭角を現す事になる男・魯粛(字・子敬)。平穏な暮らしを望む彼の才を、時代は見逃しはしなかった。徐々に呉の国そのものに組み込まれていきながら、しかし彼は自らが本当に望む世のあり方を見失うことも無かった…。武勇と戦いのみが注目されがちな三国志の舞台で、生き、暮らす、人々の姿と思いを描く、唯一無二の静謐な三国志物語。


主人公は魯粛。これがまたえらく恰好いい。
演義では孔明にうまく言い包められて踊らされるという損な役割を振られてしまった彼ですが、正史では有能な呉の臣(らしい)。この作品は、正史に準拠してるのかな?豪快で頭がキレて視野が広くて懐が広くて、尚且つ少女の頃から見知っている妓女に酔わされて致されてしまうような可愛げもあるという…こんな風に書くと、物凄く完璧すぎて嫌味っぽくなってもよさそうなのに、そう感じさせないのは素朴で穏やかな作風のせいかな。
主役意外では、青臭さのまだ残る、弱さを抱えている孔明が印象的。
それから地味に瑾兄上の顔がちゃんと長く描かれているところにツボったw7コマしか出番が無いにも関わらず、曹操様は悪~い感じに渋くて格好良い。劉備は…髭ダルマ?孫権も若くて癇性で熱い感じが、それっぽい。そんな若き主公に手を焼きながらも仕えている張昭も良い。

戦乱の世でも民が風習に則っておまつりをしていたり、歌妓たちの様子が細かに描かれていたりして、英雄たちの物語というよりも、三国時代を生きる人々の物語という感があります。

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