三国志 第四巻

2008年12月24日 読書
宮城谷昌光 文藝春秋 2006/09

曹操は黄巾軍を下し、統治を進める。一方、董卓は寵臣・呂布に殺され、都内は歓声に溢れた。袁術、陶謙…曹操の戦いは続く。


面白くなってまいりました。
董卓のターンは王允と呂布の謀略によって終了。そして蝋燭に。董卓といえば蝋燭ってイメージがあるんですが、これって本当にあったことなのかね?創作、史実、どっちにしろ、そんな目にあわせたいくらい暴虐だったってことですかね。どんだけだよ。
曹操さまは相変わらず奮戦中。そして着々と人材を収集中。荀イクも程昱もゲットだぜ。でも荀イクには既に空弁当フラグが立っていて、ちょっと悲しい…。後に曹操の謀臣となる賈詡も、曹操とは別の陣営で暗躍。作者によって「―生きつづける」ということが人生の基本であり、己が他人に勝つことと定義されている人物だけど、それを知恵と度胸の身一つでなすってのが格好いいじゃないか…!
兗州反乱と奪還までが大変に面白いです。窮地に陥ったときこそ人の器量というものは試されるわけで、危機に対してどう処するかが、人間それぞれの個性と本性を現すと思うのです。だからこそ、親友を裏切ったり、主を裏切られたり、主君のために奔走したりと、様々な人物の身の処し方と思惑の浮き沈みが見える、この下りは面白い。

老荘の徒として描かれる?らしい劉備は公孫瓚に見切りをつけて徐州の陶謙のもとへ。陶謙の死をもって、漸く居所を確保。曹操に較べると、どことなくとらえどころの無いキャラクターで、そこが「人物が大きい」と言われる所以?この時期の劉備は公孫瓚傘下の客将でしかないし、君子でもなければ学もないのに、それでもうるさがたな孔融や陶謙が認め、豪商の糜竺が彼を迎えたのが、劉備という人物をあらわしている全てなのか。カリスマ?
ところでこの巻の冒頭で孫堅はお亡くなりになったので、息子である孫策が登場してきたのですが、これがまた美周郎を差し置いて美形だ、美形だ言われていてびっくりです。無双の汗まみれで「ずぇー」な印象が強いので、こんなに美しい人は見たことがないとか言われて、袁術さえにも感じ入らせる孫策は、何か意外。つーか予想外。

曹操さまが足場を大分固め、流離いの献帝が苦労しているところで、以下次巻に続く。

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