牢の中の貴婦人

2008年11月24日 読書
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ 東京創元社 創元推理文庫 2008/11

見知らぬ世界の牢獄に、いきなり放りこまれてしまったエミリーは、手さぐりで情況を分析する。どうやらここは異世界。権力を争う二大勢力の、一方の貴族の女性と人違いされたらしい。話ができるのは牢番とその上司、そして使い走りの少年だけ。そんななかエミリーは、同じ砦の牢に閉じこめられている、ある囚人の男性に魅かれていくのだが……。英国児童文学の女王ジョーンズが書いた〈デイルマーク4部作〉の原型ともいえる作品。訳者あとがき=原島文世


香歩さんの日記で発売を知り、即座に購入。ありがとう、香歩さん!!
以下感想、ネタばれあるよ。





これは何と言うか、かなり大人向け。「セックスにおびえるタイプ」とか「オーガズム」とか「お稚児さん」なんて単語が出てきてびっくりよ。ついでにBLというかゲイ要素もアリ。佐竹美穂さんの表紙だし、「ハウルの人だー」って買ったお子様が居たらどーすんだ。しかも、まさかのバッドエンド。
粗筋だけ読むと歴史ものの要素を含んだハーレクインっぽくて、ヒーローのヒロインへの扱いも非常に丁重で貴婦人に対するロマンチックなものなのに、そう一筋縄でいかないところがなんとも…。ジョーンズの小説の登場人物は皆が皆、単純にわかりやすく善良なだけのキャラというのは殆ど居ないから、ヒーローの選択と行動もありっちゃありなんだけど。
かなり初期の作品で『デイルマーク王国史』シリーズの原型ということですが、だとしたら『デイルマーク~』でのメイウェンの扱いとヒーローとの関係は大分優しい万人受けするものになったんだな、と。それに作風は随分マイルドなものになったのねー。マイルドになっても、『デイルマーク~』のヒルディのその後とか『バウンダーズ』の結末も結構あれだったけどね…。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

この日記について

日記内を検索