三国志 第一巻

2008年11月14日 読書
宮城谷昌光 文藝春秋 2004/10/13

徳を失い腐敗した後漢王朝の悲劇から、壮大な歴史叙事詩が始まる。三国志への巨細、周到な序曲というべき巻である。


三国志と言えば黄巾の乱あたりが物語の始まりの定番でしょ?程度の知識しか無いので、なんか全く知らない時代から話が始まってるー!?とちょっと慄きつつも読み進める。でもって、全く知らない人の、これまた全く知らない親だの祖父だののエピが出てきて更に慄く。
この第一巻は、“漢”(正確には後漢か)という国が乱れ、魏・呉・蜀の三国が鼎立するに至った遠因を説明する巻だから、まだまだ所謂三君主どころか董卓のとの字も出てこないのは当たり前なんだけど、あまりの馴染みのなさにへこたれそうになったところで、曹操の養祖父にあたる曹騰が出てきて、ここから一気に面白くなった。まだ少年の曹騰と、その主である済陰王の苦難が本当に可哀想で、クーデターが成功したくだりは、しみじみと良かったね…!と思ったのに…、というとこで以下次巻に続く。

『レッドクリフ』が公開されたから、というわけでもないけれど、一度きちんと三国志を読んでみようかな、と。子供の頃に吉川英治版と横山光輝の漫画を読んだきりなので。しかしこの宮城谷三国志まさか完結していないとは思っても見なかった…。時代のどのあたりを、物語の終わりにするんだろう…?
三国志ものとしては、あとアモーレのあたりまでしか読んでいない『蒼天航路』を読んでみようかと思っています。

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